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2008年10月1日
ウインターギア素材研究

ウィンターギア素材研究

知っているようで知らないウィンターギアの素材について、今回店長が中途半端な知識を駆使して説明したいと思います。
まずは基本的なことをひとつ、「気化熱」の説明をしますので大雑把に理解してください。
液体が気体に変化するときに必要なエネルギーを気化熱と言います。詳しいことは分かりませんが、要するに水が蒸発するときにエネルギーとして物質から熱を奪うということらしいです。それでは、気化熱を理解したところで本題に入ります。

●ドライスーツ

ドライスーツの素材は、ほとんど透湿防水素材、メーカーによってヴェイパーナイロン、オックスナイロンと呼びますが、ほぼ同じものです。水は通さず内部の湿気は外に放出し、軽くて軟らかい素材です。生地内側に防水のための特殊な表面加工を施していますので、裏地の表面加工が、擦れ、傷によって損なわれると防水機能が低下します。

ジーンズなどの硬い衣類をインナーとして着用したり、鍵や携帯をポケットに入れたまま使用しないように気をつけましょう。塩水も大敵とのことですので、使用後は丁寧に裏側まで水洗いすることをお勧めします。


●セミドライスーツ

セミドライスーツとウェットスーツは何が違うの?という質問を時々受けます。そうですよね、どこが違うんでしょうか?セミドライは本当に温かいのでしょうか?
ウェットスーツのメイン素材はネオプレーンというものです。実はこのネオプレーンという名前はあるメーカーの商標らしいのですが、あまりに有名なので素材の通称としてそのままネオプレーンと言わせてもらいます。

ネオプレーンは、軽くて伸縮性があり、防水、断熱、衝撃吸収、そしてコストも安いのでウェットスーツには最適な素材です。しかしネオプレーンはゴムとスポンジを足して2で割ったような素材なので、表面が滑りにくく、肌触りも良くありません。そこで表面にジャージ生地を張り付けてウェットスーツなどに使用します。つまり私たちが普段手に取っているウェットスーツの表面はジャージで、目に見えない内部の素材がネオプレーンです。

セミドライもウェットスーツも基本的にはこのネオプレーンからできています。しかしセミドライはウェットスーツとこんな部分が違っているんです。これはあくまでも一般論ですので、詳細はメーカーによって異なることを予めご了承ください。

  • (A)
    ウェットスーツは2〜3mmのネオプレーンが一般的ですが、セミドライは3〜5mmで断熱効果、保温効果が高い。
  • (B)
    ウェットスーツの表生地にはジャージが貼ってありますが、セミドライはスキンメッシュ加工やスムーススキン加工を施しておりジャージを貼りません。ジャージを貼ると、ジャージが水分を含むため、その水分が蒸発するときに気化熱が奪われてしまいます。ウェイクでもPWCでも風を切って進みますので、水を含む素材を着用すれば気化熱がどんどん奪われて体が冷えてしまいます。スキン加工のセミドライは気化熱が奪われるのを軽減できます。
  • (C)
    セミドライの内部は、起毛素材や発熱素材などの特殊素材が使用されており、断熱効果や保温効果に優れています。
  • (D)
    セミドライはウェットスーツに比べて、水が入りにくい構造になっています。首・手首・足首のシール、簡易防水ジッパーの採用、インナーシールド構造の採用など、各メーカー様々に工夫をします。また普通の縫製では生地と生地の接合部分から水が浸みてくるので、接着材を使用して接合部分を防水にしているものもあります。

ウェットスーツとセミドライの違いについては、私が簡単に調べただけでもこれだけあります。利用者の声を聞いても、防寒においてセミドライはウェットスーツに比べて格段に温かいようです。


●コート、グローブ

冬用と言われるコートやグローブも基本的にはセミドライと同様です。表面にジャージを貼らず、なるべく気化熱を奪われないように工夫されていたり、水が浸みてこない構造になっていたりします。

ただしスキン加工の場合、表面への印刷が難しい、ゴワゴワ感がある、肌触りが悪い、しわになりやすいなどの理由から、部分的にジャージを採用している商品もあります。


●インナー他

その他、防寒アイテムとして重宝するのがインナーやソックス、フードですが、これらに共通して言えるのは内側に断熱素材、保温素材が使用されているということです。では、それらの特殊素材について説明します。

  • (A)メタライト加工

    主にウィンターソックスやドライスーツの首、手首などの使用されます。アルミ粉末を生地の表面に特殊コーティングして断熱効果を高めています。またシール効果があるので、手首、足首からの水の浸入を抑えてくれます。
  • (B)起毛素材

    空気層は断熱効果が非常に高いそうです。2重サッシ、魔法瓶、セーターなどは空気の断熱特性をうまく利用した商品です。そして起毛素材は繊維の中に空気を含むことで断熱効果、保温効果を発揮します。
  • (C)発熱起毛素材

    当店が取り扱っているブランドで発熱素材を使用しているのはオニールで、一部のプロモデルセミドライに「ファイヤーウォール14プラス」というものが使用されています。これには起毛繊維に発熱素材であるサーモブレスという繊維が14%含まれています。サーモブレスは汗を吸って発熱する繊維なので一石二鳥の優れものです。ただし非常にコストが高いので低価格の商品にはなかなか使用できないようです。

インナーなどの裏生地として多くの素材がありますが、大きく分けて上記の3種類があります。温かさという点では上記の順番通りA<B<Cになります。高いですが温かさでは発熱性素材が一番です。
マリンのウィンターギアとして素材に求められるものは、発熱性や断熱性、保温性の他に、撥水性、速乾性、伸縮性、抗菌防臭性、肌触り、低コストなどの要素があります。しかし、素材を開発するのは繊維メーカーで、ウェアメーカーが素材まで開発することはまずありません。繊維メーカーはウェアメーカーに商品を売り込みますので、優れた素材と聞けばどのウェアメーカーも基本的には購入することができます。したがって素材で商品の差別化をすることは難しいということですね。価格も他社の価格を調査して値付けしますので大きな差は生まれません。私の個人的な意見になりますが、インナーなどを購入する際に価格が同じくらいであれば、ほぼパフォーマンスも同じくらいかなと思っています。