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最終更新日:2018年02月09日

電動船外機トルキード トラベルシリーズを徹底解説!

TORQEEDO(トルキード)は、2005年にドイツ・バイエルン州で創業された電動船外機メーカーです。
従来のエレキモーターとは異なり主機を目的に設計されており、燃料を使用しないので、エコであり静かで煙もなく匂いがしません。
そんな電動船外機トルキードは、世界的に注目されています。
そして、今回トルキードの中の、専用リチウムバッテリーが装備されテンダーボートやミニボートにおすすめの 『トラベルシリーズを徹底解説していきます。それでは、詳しく見ていきましょう〜♪』

商品到着〜組立〜始動まで
ガソリンエンジンの船外機に比べ、ガソリンやオイルを注入する手間がなく簡単で、2〜3分程で組立することができます。
1.トルキード本体のクランプボルトを回してボートへ取付ます。
2.力を掛けず垂直にバッテリーをトルキード本体の取付穴に差し込み、バッテリーの後方を下ろします。

3.バッテリー固定ピンを取付穴に差し込みバッテリーを固定します。
4.ティラーハンドルもバッテリーと同じ要領で取付ます。

5.ティラーハンドルの配線とトルキード本体の配線をバッテリーに接続します。その際、ケーブルコネクターが正しい向きか注意して下さい。
6.マグネットキーをティラーハンドルの接続位置に置き、ディスプレイをONにします。

※始動時の注意点
・空気中(陸上)で長く動かすとドライブシャフトにモーターを密封しているシャフトシーラントリングが損傷します。
・ペースメーカーまたは他の医療インプラントから最低50cm 離してください。
・磁気カードまたは他の磁気情報媒体から最低50cm 離してください。
▼解説付きの動画もご用意しました。
たった3分の動画でわかる!電動船外機トルキード トラベルシリーズの組立〜始動
各部名称
▼イラストではわかりづらい部分の詳細はこちら
バッテリーケーブルコネクター
ディスプレイ

チルトレバー
トリムボルト

操作
●前進/後進
組立〜始動と同様に、前進と後進の運転もガソリンエンジンの船外機に比べて簡単です。
トルキード トラベルシリーズと同程度の推進力である2馬力船外機と対比して解説します。

・前進
前進については、操作手順はそれほど変わりはありません。
スズキやトーハツやヤマハなどの2馬力船外機は、
シフトレバーがあるのでニュートラルから前進⇒スロットルグリップを高速側に回します。

トルキードは、シフトレバーがないので、スロットルグリップを前進側に回すだけです。


・後進
大きな違いがあるのは、後進です。
まずは、スズキやトーハツやヤマハなどの2馬力船外機の場合、
スロットルグリップを最低速の位置にする。
シフトレバーを前進からニュートラルにする。
船外機を180°回し、ティラーハンドルを手前に動かす。
シフトレバーをニュートラルから前進にする。
※ホンダの場合は、シフトレバーがないのでシフト操作を省きます。

トルキードは、後進側にスロットルグリップを回すだけです。


【ここがポイント】
海上に出ると慌ててしまうことがあると思います。そうなると、瞬時に行動に移すことができなかったりしますよね。
だからこそ、簡単な操作は余裕を持って運転ができます。余裕が持てるとやはり安心感も持てると思います。
誰でも簡単に操作できることも、トルキードの特長の1つではないでしょうか。
▼電動船外機トルキード トラベルシリーズのスロットルグリップの詳細

●スロットルグリップの太さとハンドルの重さ
ここでも2馬力船外機と比べさせてもらいます。
2馬力船外機の1番人気は「ホンダのBF2」ですが、そのBF2のスロットルグリップは細すぎるという、声をよく聞きます。
実際にグリップを握って比較してみると、ホンダBF2が細いです。
計測してみても、ホンダBF2は約35mm、トルキード トラベルシリーズは40mm
(その他2馬力船外機は、スズキDF2約37mm、ヤマハF2AMH約38〜43mm、トーハツMFS2B約42mm)
また、トルキードのグリップは裏側に溝があり、握りやすくなっています。
しかし、ハンドルの重さは、ホンダBF2は調整ボルトがあり調節することができますが、トルキードは調節することはできませんので、この部分に に関してはガソリンエンジンの船外機に分があります。

ホンダ2馬力船外機 [BF2]
スズキ2馬力船外機 [DF2]
トーハツ2馬力船外機 [MFS2B]

●チルト
チルトレバーを上げると、チルトすることができ
レバーを下げるとロックすることができます。
チルトさせる場合は、バッテリーの取っ手を持つとやりやすいです。

チルトレバーロック状態
チルト可能な状態

●ディスプレイ
・「ON/OFFボタン」を1秒押すとモーターのスイッチが入ります。3秒以上押すとスイッチが切れます。
・1時間何も操作が行われない場合は、モーターのスイッチが自動的に切れます。
・ディスプレイ単位の設定は、まずは「setupボタン」を押します。
・単位の切替えは「cal.ボタン」を押して、単位が確定したら「setupボタン」を押します。

単位の選択は、
航続距離・・・km、マイル、海里、時間
速度表示・・・km/h、mph、ノット
バッテリー残量・・・%、電圧

バッテリー残量が30%を下回ると、信号音が3回鳴り、20%、10%を下回った場合は信号音が繰り返されます。
始動時でも30%を下回っていると信号音がなります。

ガソリンエンジンの船外機では、タンクのキャップを開けなければ残量を確認できませんが、トルキードであれば残量が一目で確認でき警告音も鳴るので、絶対的な安心感を持って航行することできます。
電動船外機トルキードの音
音についても、ガソリンエンジンの船外機に比べると、明らかに違います。
論より証拠。音の違いを聞き比べてみて下さい。
どうでしょうか。
エンジン音を不快に思うことは多々あると思います。
その点トルキードはストレスフリー!
大声を出さなくてもいつも通りの声で会話することができ、快適に航行することができます。
スピード
電動船外機トルキードのトラベルシリーズには、3モデルあります。
出力 推進力(ガソリン船外機比) 全重量
500W 1.5馬力相当 S:12.9kg
L:13.5kg
出力 推進力(ガソリン船外機比) 全重量
1,000W 3馬力相当 1003S:13.4kg
1003CS:14.9kg
1003CL:15.5kg

今回は、503と1003の2モデルにホンダ2馬力船外機 BF2を加えた3モデルで、簡単なスピード比較をしてみました。
※今回使用したゴムボートは、それぞれサイズや形が異なりますが、すべて3m前後のモデルを使用。
スペック通り、トルキードトラベルシリーズ1003が一番早かったですが、ホンダBF2とそれほど大差はなかったです。
トルキードトラベルシリーズ503は、2モデルに比べかなり差がついた結果となりました。
トルキードトラベルシリーズ1003で平均8.5km/hでした。
ボートサイズ、風や波の影響などにより、結果は変わりますので、動画やスピード値は参考までに。
運搬
画像でもわかるように女性でも軽々運搬することができます。
トルキード トラベルシリーズは、一番重くても15.5kgです。
また、モーター本体/バッテリー/ティラーハンドルと分けて持っていくことが可能です。
さらに、ガソリンエンジンの船外機の運搬や横倒しする際は、間違った向きに傾けてしまうと、エンジンがかからなくなったりしま すが、トルキードの場合向きなど気にせず運搬や保管できます。

水洗い、メンテナンス

海水または汽水で使用した後は、モーター、ティラーハンドル、バッテリー全体を真水で流してください。
トラベルシリーズのモーター表面は、業務用洗剤でも洗浄可能です。
今回は海水での使用でしたので、塩害防止剤(ソルトアウェイ)を使用して水洗いしました。
その後のメンテナンスとして、コネクターの端子部には1〜2ヶ月に1度コンタクトスプレー(接触不良の接点を回復させ、腐食を防止 する接点復活スプレー)をご使用ください。
また、プラスチックの表面は、ダッシュボードクリーナーで手入れできます。
なお、運転開始から5 年後に認定サービスセンターへ連絡しシャフトシーリングを交換してください。
トルキードサービスセンター
株式会社ユニマットプレシャス マリーン事業部
〒341-0026 埼玉県三郷市幸房521 番地
TEL:048-949-1117
FAX:048-949-1118
ちなみに、電動船外機トルキードは厳選された素材(高品質アルミニウム、オーステナイト系ステンレス鋼)と水面下で異なる素材 が電気的に分離する為、海水での使用でもアノードは必要ありません。
バッテリーの充電、保管方法
●バッテリー充電に用意するもの
・トルキード専用バッテリー
・充電アダプター(付属品)
・家庭用電源

●充電方法
1.充電アダプターを家庭用電源に接続
2.トルキード専用バッテリーの充電ソケットに充電アダプターを接続
3.充電コントロールライトのLED表示(点滅:充電中 / 点灯:満充電)
●充電状況の確認

ティラーハンドルの配線をトルキード専用バッテリーに接続すると、ディスプレイにバッテリー残量が表示されます。
●長期保管
必要以上に高温環境へバッテリーを曝さなければ、バッテリーの寿命を延長します。
長期保管する場合は、涼しい温度にすることが特に重要です。
約6ヶ月の保管:保管時の充電レベル50%
1年間の保管:保管時の充電レベル100%
バッテリーが数年間保管される場合は、バッテリーの深放電を防ぐため、年に1 回は充電レベルをチェックしてください。
エラーメッセージ/トラブルシューティング
▼下記表を横にスクロールしてご覧下さい。
表示 原因 対応
E02 ステーター(モーター)のオーバーヒート 約10分の休止後、モーターは再使用可能。(サービスに連絡してください)
E05 モーター/プロペラが妨害されている モーターケーブルをバッテリーから抜き、妨害しているものを取り除いた後、プロペラを手で1回転させる。モーターケーブルを再接続する。
E06 モーターの電圧が低すぎる バッテリーの電圧低下。モーターは停止位置から、低速で使用可能な可能性がある。
E07 モーター過電流 低出力で継続する。
E08 回路基板の過熱 約10分の休止後、モーターは再使用可能。(サービスに連絡してください)
E21 ティラー校正不良 ●再校正:「cal.」ボタンを10秒押す
●「cal up」の表示:ティラーを前進方向に全開し「cal.」ボタンを押す。
●「cal stp」の表示:ティラーを中央へ戻し「cal.」ボタンを押す。
●「cal dn」の表示:ティラーを後退方向に全開し「cal.」ボタンを押す。
E22 磁気センサー不良 再校正(E21を参照)
E23 値の範囲不良 再校正(E21を参照)
E30 モーター通信エラー モーターケーブルプラグの接続を確認。モーターケーブルの損傷を確認。
E32 ティラー通信エラー ティラープラグの接続を確認。ケーブルを確認。
E33 全般の通信エラー プラグの接続、ケーブルを確認。モーターのスイッチを切り、再び入れる。
E41/E42 不適切な充電電圧 トルキードの電源装置を使用してもエラーが起きる場合はバッテリーが過充電を放散するまで待つ。エラーが続く場合はサービスに連絡してください。
E43 バッテリー残量なし バッテリーを充電する。モーター停止位置から、低速で使用可能な可能性がある。
E45 バッテリー過電流 モーターのスイッチを切り、再び入れる。このエラーが起きた場合はバッテリー状況インジケーターと航続距離ディスプレイはバッテリーが再び満充電されるまで作動しません。
E46 バッテリー作動温度エラー バッテリーセルが-20℃〜+60℃の作動温度から外れている。温度が安定すればモーターは再使用可能
E48 充電温度エラー セル温度が0℃〜45℃になれば充電が継続される。
その他 不良 サービスに連絡し、エラーを報告する。

※充電中に点滅しない、ディスプレイが作動しない場合も、不良の原因が考えられますので、サービスに連絡してください。
編集後記
今回初めてトルキードを実際に使ってみて感じた事が2つあります。
1つ目は“手間”が全くかからない事。見て頂いた通り、ダンボールから取り出して組立て完了まで3分ですよ!
それをボートに装着したら、もう運転できるんですから驚きです。
普通の船外機だったら、ガソリン入れて、オイル入れて、リコイルスターターを何回も思いっきり引っ張って・・・汗かいちゃいます。笑 
バッテリーが切れた場合は、バッテリーだけを取り外して充電できるのも便利。軽量だから女性でも1人で持ち運べます。
クルーザー所有の方でテンダーボートに手間をかけたくないって方にはホント最適ですよ。 
そして2つ目は“近未来感”です。まずそのデザインが今までの船外機とはまるで異なる近未来感が出ていて非常にスタイリッシュ。 
そして草刈機を連想させるエンジン音ではなく、“キュイ〜ン!”というモーター音。
最後はやっぱりガソリンを使わないという今後の地球環境を考えた“エコ”な部分ですね。 
地球の事を考えて作ったら、手間も減ったなんて一石二鳥ですよね! 
トルキード、これは凄いです。今後こういった電動船外機が続々と出現してくるような予感がしますね。
(2016.10.05)


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