魚探振動子の取付方法
振動子の取付場所と感度
振動子は超音波を発射して、反射してきた音波を感知するセンサーです。振動子底面と、水の間に遮るものがないほど、感度は良くなります。船底に貼り付ける方法ですと、底板一枚分が障害物になりますので、音波が減衰します。インナーハルとシリコン接着と比較しますと、シリコン接着剤は弾性体なので減衰率は大きくなります。
振動子を水中に直接浸けた状態を100とした場合の取付方法ごとの感度の違い
直付け エレキモーター取付・トランサム取付など
100
船底貼付 インナーハルキット使用
80
イケス取付 イケス内部に貼付
70
船底貼付 シリコンで船底に貼付
60
振動子を直接水に浸ける方法
■吸盤取付金具・万能パイプ取付金具で取り付ける方法 (HONDEX)
吸盤取付金具 QB01または、万能パイプ取付金具 BP01を使用。
対応振動子タイプ TD04A (HONDEX)
対応モデル HONDEX HE-51C/HE-61GP/HE-61GPII/HE-6201等
メリット 工具など使わず、船体に加工もなく簡単に取り付けできます。
水中直浸けなので最高の感度を得られます。
デメリット 取り付けたままの走行ができません。(走行しながら魚探を掛けることができません。)
吸盤取付金具を使った取付
●振動子は必ず水中に入るように設置します。
●万一はずれてもいいようにロープなどで縛っておくと良いです。
ゴムボートのチューブに取付けて使用することもできます。表面が凸凹で吸盤が付かない場合は、表面の滑らかなゴム板や幅広テープなどを取付面に貼り付けると良いです。
万能パイプ取付金具を使った取付
■トランサム取付 (HONDEX・SONIX)
対応振動子タイプ TD04A (HONDEX)
メリット 専用のステーを使ってがっちり固定するのえ走行中も魚探を掛けられます。
水中直浸けなので最高の感度を得られます。
デメリット 船外機との距離が近いため、船外機の種類によってはノイズの影響を受けることがあります。
船底勾配と平行に取り付けをして下さい。
船底勾配が10度以上あると、音波の発射方向が不適切な方向になってしまいますので、ストライプ(竜骨)部に取り付けをして下さい。
振動子底面は船底面に対して2〜5度傾けるようにセットします。
振動子とトランサムの間に隙間がある場合は必ずパテで埋めて下さい。
振動子底面と船底との間に段差があると気泡を巻き込み易くなり、ボートスピードが上がると映らなくなります。
■船底貼付 (HONDEX・SONIX・FUSO)
対応振動子タイプ SONIX・FUSOの丸型振動子・HONDEX TD04A/03/43
メリット 穴あけなどをせずに簡単に設置できます。
デメリット 2重底の船体や船底が厚過ぎる場合はこの方法で取付ができません。
船底の勾配がきつい場合はインナーハルキットを使用します。シリコン接着よりもインナーハルを使用した方のが高い感度が得られます。
接着面を240番程度のサンドペーパーでよく磨き、シンナーなどで接着面の油、水分、汚れをきれいに拭いてから、シリコンコーキング剤または2液性エポキシ接着剤で接着します。
気泡が接着面に入らないように充分抑えて取付けて下さい。
FRP・アルミ船で船底が単層(10mm以下)の船のみ有効です。2重底の船だと映りません。
接着する前に、ある程度水深のある場所で船底と振動子の間に水を付け(空気が間に入らないように)一番よく映る場所を決めてから固定すると良いです。
ゴムボートの船底には入歯安定剤の「ポリグリップ」で貼り付けると収納時に取り外しできます。
船底勾配の大きな船はインナーハルの使用を推奨します。
直接シリコンで貼り付けるよりも良好な感度を得られます。
インナーハルキットの円筒部分は船底勾配に合わせてカットしてご使用ください。
イケス内に取り付ける方法もあります。
音波の振動がイケス全体で緩衝されてしまいますので、感度はシリコン接着よりも落ちてしまいます。
船体に穴を開けたり、接着剤を塗布して傷めてしまうことがありません。
振動子と船底面はなるべく少なくすると良いです。


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